急な出張というのがある。私にとってもっとも参ったのが、日曜日の午後6時に「明日から、大阪へいってくれ」というものだった。大阪まで6500円強、しかも、銀行に他行利用手数料を極力払いたくない私としては、とてつもないピンチであった。
 そんなビジネスシーンに役立つのが、クレジットカードである。
 今回は、そんなシーンに役立つカードを取り上げる。

1.JR系カード
 JR各社から、様々なカードがでている。JR北海道はツインクルクラブカード、東日本からはVIEWカード、東海からはエクスプレスカード、西日本からはJR-WESTカードが出ている。
 JR各社の内、東日本・東海は基本的に、自社カード以外はみどりの窓口では使用できない。この2社以外は、大多数のみどりの窓口で一般クレジットカードが利用できる。
 また、北海道と西日本では、一般カードが利用でき、かつ、自社カードも発行しているのだが、利用する際には次のような違いが生ずる。
 北海道:一部駅でツインクルカードしか使えない窓口がある。
      (そこでは後述するJRカードさえ使えない)
 西日本:新幹線駅等に設置の指定席特急券券売機で、一般カードが利用できない。
      (JRカードは利用可)
 つまり、考えようによっては、この2社の自社カードを持つ利用上のメリットは少ないといえる。(もちろん、独自の情報提供がなされ、例えばツインクルの場合は、会員向け情報冊子が送られてくるといった会員特典があるが) なお、これらカードは、JR他社では、一般クレジットカードを扱っている窓口において、一般カードとして利用ができる。(これは、ハウスカードは、発行旅客会社外ではただのクレジットカードになってしまうということである。)
 そして、東日本と東海のハウスカードは、営業エリア外では、ほとんど使えないと言って間違いない。
 以上をふまえた上で考え直すと、東日本エリア内での出張しか考えられないならVIEWカード、東海エリア内のみならエクスプレスカード、その他の地域内は、何かクレジットカードを持っていればいいのである。
 ここで、西日本・四国・九州のエリア内を動く人の場合、単にクレジットカードを持っていればいいと思っていると落とし穴がある。これら3社は一般クレジットカードの利用ができるのだが、万が一、乗車変更などをする場合、一般カードで購入の乗車券類は、原則として、その乗車券類を発行した旅客鉄道会社でしか変更ができないのである。
 例えば、高知から、大阪へ帰る際に岡山経由新大阪までの乗車券と特急券を一般カードでみどりの窓口にて購入。岡山での乗り換え時に会社へ電話を入れたら、姫路の支店に寄ってくれとの指示が出た場合、最低でも新幹線特急券の乗車変更だけはしなければならない。その場合、差額の払い戻しが受けられないのである。(正確には若干異なるが、実質受けられない可能性が高い)
 このように、エリアをまたいでの出張が多ければ、JRカードをお奨めしたい。これは、JR各社とクレジットカード会社8社が提携して発行しているものである。最近はハウスカードに押されて影が薄いが、このカードの支持者も多い。ただし、このカードには、次のような欠点もある。まず、暗証番号の入力が必要であること。実際に使うとわかるが、暗証番号を打ち込む際に、周りの購入客や窓口の係員に見えてしまうという欠点がある。そして、第3セクターを通過する乗車券・特急券が購入できない。つまり、伊勢鉄道経由や智頭急行経由などの乗車券類の購入ができないのである。(詳しくは当サイトの「ひとりごと」などを参照下さい)
 いずれのカードにも長所・短所があるので、最後は自分に合ったカードを見つけだして下さい。
2.ホテル系カード
 出張で行く地方が決まっている方なら、ホテルも固定している方が多いはず。そのホテルがクレジットカードを発行しているなら、入会しない手はない。JR東日本系ホテルならば、VIEWカードにホテルの特典のついたものも発行されているので、エリアが合えば、上記のカードとしての役割も果たす。また、日本シティーホテル協会(旧ビジネスホテル協会)が発行するカードもある。
 また、そのホテルがカードを発行していなくても、どこかのクレジットカード会社の優待割引施設になっていることもあるので、調べてみる価値はある。
3.ゴールドカード
 発行会社によってサービス内容がずいぶん違うので一概にはいえないが、カード会社によっては、ゴールド会員に手厚い(国内)旅行サポートを行っていたりする。また、国内乗車券・搭乗券購入で、旅行保険がついてくるものがほとんどなので、旅行保険に別に加入する必要がない。もちろんこれはビジネスでも適用されるので、利用価値があれば、そのカードを持つという手もある。
4.エアラインカード
 これはビジネスシーンに役立つというより、「得する」という方が正解か。

 出張族の皆様。これらのカードをうまく組み合わせることにより、快適な出張生活、カードライフが待っています。環境は個々人それぞれなので、「このカードを持て」といったような断言はいたしません。このレポートが皆様の役に立てば幸いです。

(1999.12.29)

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